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労働条件通知書の変遷と書類保存義務 

≪昭和51年改正≫
1.労働基準法第15条は、使用者に、労働契約締結の際の労働条件の明示について義務を課していますが、基本的には口頭でも可という制度で、労働契約書を取り交わす慣習のないわが国では、なかなか実効があがらない規定となっていました。

2.その後、昭和51年の改正で、このうち「賃金に関する事項」についてだけは、書面交付が義務づけられました。

≪平成10年改正≫
1.労働契約の締結に際し、使用者が書面の交付により明示しなければならない労働条件の範囲が、これまでの「賃金に関する事項」に加えて、下記のとおり、新たに4項目が加えられ、計5項目となりました。なお、使用者の労働条件明示義務の範囲は、書面交付によって明示する労働条件より広いことに注意する必要があります。
① 労働契約の期間
② 就業の場所、従事すべき業務に関する事項
③ 始業・終業の時刻、時間外労働の有無、休憩時間、休日・休暇、就業時転換に関する事項(新設)
④ 賃金の決定・計算・支払の方法・締切り・支払の時期(但し、退職手当、臨時の賃金等は除く。)

⑤ 退職に関する事項

2.問題となるのは、「就業規則の記載事項の範囲」と「書面による労働条件明示の範囲」について、項目に相違があることです。書面による労働条件の明示項目のうち、
① 労働契約の期間
② 就業の場所、従事すべき業務に関する事項
③ 時間外労働の有無
の3項目は、就業規則の必要記載事項になっていませんし、実際にも就業規則の記載事項に馴染まないところもあります。

3.今後は、就業規則の交付(提示は不可)をもって、労働契約締結時の労働条件の書面交付にかえることができないことになりますから注意を要します。企業の具体的対応としては、
① 就業規則を交付(提示は不可)することによって労働条件を明示する場合は、上記の3項目について別途書面で交付することも可能ですが、
② 実務上は、就業規則を交付している事業場でも、新たに、書面による労働条件明示を義務づけられた事項を様式化して書面交付することが重要です。

≪平成25年改正≫
1.有期労働契約の継続・終了について予測可能性と納得性を高め、紛争の防止につなげるため、労働基準法施行規則第5条が改正され、労働契約締結時に、契約期間とともに「期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準」も書面の交付によって明示しなければならない事項となります。

≪書類保存義務≫
使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を三年間保存しなければなりません。(法109条)

『労働者名簿、賃金台帳、雇入(労働契約における労働条件を明示した書類等)、解雇(解雇予告通知書、その他解雇に関する書類)、災害補償及び賃金に関する書類(業務災害等の災害に関する書類等)、賃金に関する書類(労働の対償として使用者が労働者に支払ったすべてのものに関する書類)、その他労働関係に関する重要な書類(その他の書類として、出勤簿やタイムレコーダーの記録、使用者が自ら始業・終業時刻を記録した書類、残業命令書及びその報告書、労働者が記録した労働時間報告書など並びに労使協定書、各種許認可に係る書類等。)』

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退職届 

 退職届は、大きく分けて2種類あります。

 「平成○年○月○日に退職いたします。」という言い切り型と、「平成○年○月○日をもって退職したく、お願いいたします。」というお願い型です。

 言い切り型の場合は、退職届を提出した場合は、その時点で退職日は確定します。しかし、お願い型の場合は、会社で退職日を承認しない限り確定とは言えません。

 要するに、お願い型の場合は、撤回が可能だということです。

 例えば、10月1日に、「10月31日をもって退職したく、お願い申し上げます。」といった退職届が提出されたとします。

 当然、会社としては求人を行い、10月中旬に内定し、10月21日から引き継ぎを兼ねて出社してもらうとします。

 しかし、お願い型の退職者から10月下旬に、「10月31日の退職届を撤回したい。」と言われた場合、撤回を認めなくてはいけない事態となる可能性があります。

 従って、会社としては、「退職承認通知書」を本人に渡し、退職を会社として承認する意志を伝えるようにします。その退職承認通知書をもって退職日が特定され、撤回が不可能となります。

 また現在毎週水曜日の20時から、竹内結子主演の「ダンダリン」が放送されていますので、今後も社員からの訴えが多くなることが予想されます。特に、出口(退職時)でのリスクヘッジは必須となります。

休憩時間を有効に 

 休憩時間は、6時間労働を超えた場合には60分、6時間を超え8時間までの場合は45分が必要です。

 よく勘違いしているのは、8時間労働の場合60分休憩が必要と思っていること。

 8時間労働の場合は45分で大丈夫です。

 また、休憩時間は一度に与えなければいけないものではありません。

 よって、次のように設定することも一考です。

<今まで>
8:30~17:30(休憩12:00~13:00)

<提 案>
8:30~17:30(休憩10:00~10分、12:00~40分、15:00~10分)

 細切れに小休憩を与えることによって、集中力の持続が期待できます。


 有効に休憩時間を設定することをおすすめします。

通勤途上の自転車事故 

 このところ、健康志向なのか経費削減なのか、「自転車通勤者」が多くなっています。

 マイカー通勤の場合、マイカー通勤規程を制定したり、自動車保険などの下限を規定したりし、会社としてリスクヘッジを行っています。

 しかしながら、自転車通勤となると、保険未加入であったり、ルールが制定していなかったり、会社としてリスクヘッジをしていないケースも多く見受けられます。

 判例では、女子高校生が携帯電話を操作しながら無灯火で自転車を片手運転していた際に、歩行中の女性をはねてしまい、被害者女性は手足に痺れが残り歩行困難になったことにより職を失ってしまいました。裁判所では加害者の女子高校生に約5千万円の支払いを命じております。

 従業員が自転車通勤途上に起こした事故も、リスクヘッジをしていない場合は、使用者責任が発生する可能性もあります。

 そこで、会社としては、自転車通勤の許可証を整備し、自転車通勤をする者は、保険に加入すること、また以下の禁止事項を遵守することなどを規定した誓約書をとることをおすすめします。

 誓約書に記載する事項は以下の通りです。

・携帯電話の使用を禁止する
・ヘッドフォンの使用を禁止する
・左側通行を徹底する
・雨天時、傘をさしての運転を禁止する(レインコートを着用)
・飲酒運転および酒気帯び運転を禁止する
・二人乗りを禁止する
・並進を禁止する
・夜間のライト点灯を徹底する
・交差点での信号遵守と一時停止、安全確認を徹底させる
・改造自転車を禁止する
・荷物をサドルにぶら下げることを禁止する
・巻き込みの危険性があるスカートを禁止する
・スピードの出しすぎを禁止する
・自主点検を励行する

年金問題から考える社会保険加入について 

 このところの報道によると、年金の支給年齢の引き上げということで、68歳からの支給にしようという議論がなされている。また、パートタイマー(短時間労働者)の社会保険加入を促進するために、加入条件の緩和を打ち出している。

 週末テレビを観ていたら、「週30時間以上働いているパートタイマーは現在加入義務がある。それを週20時間以上に加入条件を緩和すべき」という議論があった。

 しかし、我々専門家から言わせると、この議論は間違いである。

 というのも、現在の社会保険に加入しなければいけない方は、「おおむね一日において通常の労働者の労働時間の4分の3未満、または一か月において通常の労働者の労働日数の4分の3未満の者は加入できない」となっている。

 つまり、週30時間は問われていない。

 よって、一日8時間、一か月22日勤務の会社だとすると、あくまで一日6時間以上かつ一か月16.5日以上なければ加入義務はない。

 上記の条件の会社だとして、具体的には、一日5時間×6日勤務の方がいたとしても、週30時間ではあるものの一日の労働時間が4分の3未満なので、加入義務はない。また、一日8時間×15日勤務の方も同様である。

 政府には、このような議論が本当にパートタイマーのためになるのか、また中小企業の負担がどれ位多くなるのか、全体的な影響がどれだけ波及するのかを理解して、検討してもらいたいと感じた。

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